05 美ものがたり
Bimonogatari
「とおかまち」という「場所」に
よって生み出された美しいもの
マ・ヤンソン/MADアーキテクツ 「Tunnel of Light」 (大地の芸術祭作品)
Photo by Nakamura Osamu
「とおかまち」という「場所」によって
生み出された美しいもの
とおかまちを旅して目にする美しいもの。
それは、野生味あふれる天水山麓のブナ原生林、大地のエネルギーが噴き上がったような清津峡の柱状節理。瑞々しい緑の稲がやがて黄金に変わる棚田の風景。そして越後妻有大地の芸術祭では、自然の中に人が溶けることで、アートに新たな息吹が吹き込まれ、ますます美しくなる。
その他にも、とおかまちを旅して見つかる美しいものの多くが、自然環境によって生み出されたもの。
豪雪がもたらす厳しい環境は、この地の四季の色合いを濃くしています。そうした場所で生きることで、人は自ずと「本当の美しさ」に心を寄せ、火焔型土器のような思いもよらない造形美を作り出せるのかもしれません。
とおかまちの美は、豊かで厳しく、そして雄大な自然があったからこそ生まれました。ただ佇んで、深呼吸したくなる。ここにはそんな美しい場所が溢れています。
雪の中で研ぎ澄まされた煌めき ―豪雪地の美ものがたり―
十日町市には、四季の移ろいによって全く違う表情を見せる、豊かで特徴ある景観が形成されています。棚田が広がる里山や、薪炭林として利用されたブナ林の風景からは、豪雪地の人々の知恵とたくましさを感じることができます。また、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」の舞台でもある十日町市には、「清津峡」の柱状節理の雄大な景観と現代アートとが一体となった空間など、新たな魅力も生まれています。
縄文時代の遺跡の出土品も数多く、特に「火焔型土器」の圧倒的存在感は、5,000年の時を経てなお、人々を魅了してやみません。また、古代から時代を捉えた意匠で作られてきた十日町市のきものは、1,500年もの間多くの人々に愛され続けています。豪雪地の美は、冬の静寂の中で研ぎ澄まされた雪国の人々の感性から生み出されたのです。
日本遺産「究極の雪国とおかまち ―真説!豪雪地ものがたり― 」の
ストーリー全文はこちらから
※「雪国とおかまち」サイトへ遷移します。
「美ものがたり」に関連する構成文化財
構成文化財とは、ストーリーを語るのに欠かせない文化財のことです。