美ものがたり

十日町小唄

雪国情緒あふれる歌詞で愛唱される十日町織物のコマーシャルソング

「十日町小唄」は昭和4年(1929年)、十日町織物の「明石ちぢみ」のコマーシャルソングとして作られました。永井白湄による雪国情緒にあふれた歌詞と、中山晋平による作曲、女優の水谷八重子の振付けで、最初は「サッテモ節」として発売されました。「明石ちぢみ」は明治中期頃から作られるようになった、「蝉の翅〔はね〕」と呼ばれるほど繊細で緻密な、十日町名産の高級絹織物です。「十日町小唄」は戦後新たに編曲され、昭和35年(1960年)「全国民謡・新民謡ベストテン」で新民謡部門の第1位に選ばれて再び脚光を浴びます。新潟県の「新民謡」として佐渡おけさと共に全国的に有名になりました。
毎年「十日町小唄日本一優勝大会」が開かれ、8月には「十日町おおまつり」の大民謡流しで歌われています。夏祭り、盆踊り、小学校の運動会など、十日町の行事には欠かせない、地域住民にも愛され親しまれている歌と踊りです。

十日町小唄

作詞 永井白湄
作曲 中山晋平
越後名物 かずかずあれど
明石ちぢみに
雪の肌
着たら放せぬ 味のよさ
テモサッツテモ ソジャナイカ
テモ ソジャナイカ

娘ざかりを なじょして暮らす
雪に埋れて 機仕事
花の咲くまじゃ 小半年

窓にさらさら 粉雪の音を
聞いて眠れぬ 夜もすがら
やるせないぞや 雪明かり

人が見たらば 横丁へよけて
雪のトンネル 隠れ場所
恋のぬけ道 まわり道

雪が消えれば 越路の春は
梅も桜も 皆開く
わしが心の 花も咲く

屋根の雪なら 下ろしもさりょが
恋の重荷を 何としょう
私しゃ苦労が 増すばかり

玉の汗にも ちぢまぬ明石
着れば透きます 雪の肌
本場越後の 十日町



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