02 食べものがたり
Tabemonogatari
丁寧な暮らしの
ずっと先をいく豪雪地の食文化
丁寧な暮らしの
ずっと先をいく豪雪地の食文化
日々の生活に手間と時間をかける丁寧な暮らしは時間に追われる現代人にとって憧れのライフスタイルになっています。実はそのライフスタイル、とおかまちの人たちにとっては当たり前の暮らし方。
この地では長い冬を乗り切るため、とにかく食料保存に手間と時間をかけてきました。山菜は干して乾物に、キノコも干したり瓶詰めに。キャベツや大根など、毎日の暮らしに欠かせない野菜たちも上手に雪を使って保存したのです。
保存した食材を美味しく食べる郷土料理も豊富です。食材ごとに煮方を変えて、とことん無駄なく味わい尽くします。食卓に並ぶ、茶色いおかずの美味しいことといったら。
滋味深い味とは、こういうこと。
豪雪地を生き抜いてきた変わらない暮らしの有り様が、今、注目の暮らし方なのかもしれません。
だからうまい、だからあたたまる ―豪雪地の食べものがたり―
豪雪地では、雪で大地がふさがれる期間が4月頃まで続きます。そのため植物の芽吹きは遅くなり、積雪期は土を耕す農業もできません。この長い冬を凌ぐため、人々は秋までに採れた食料を備蓄し活用することにことのほか心を砕きました。山菜やキノコは塩に漬けたり干したりしておきます。大根などの野菜は、ワラで覆い雪の中で保存すると凍らずに長持ちしました。また、「雪穴」や「雪室」に大量の雪を貯めておき、夏になるまで食料の冷蔵に利用しました。
十日町市を含む魚沼地域では雪国の風土や地形を生かした稲作が盛んで、全国でも屈指の米どころです。傾斜地に展開する「棚田」の維持は豪雪によるところが大きいのです。また「へぎそば」は、織物の糸の糊付けに使う海藻「布海苔」をつなぎとして加えます。このことによりツルツルとした独特の食感と抜群の風味が生まれ、当地の名物となっています。
冬の代表的な保存食「ツケナ」(野沢菜漬)は、春先に発酵が進んで酸味が増すと、塩抜きして煮込み「ニーナ(煮菜)」に生まれ変わります。厳しい冬を生き抜くため、人々の知恵が育んだ豪雪地の食文化は、豊かな自然の恵みを活かした郷土料理として今も受け継がれています。
日本遺産「究極の雪国とおかまち ―真説!豪雪地ものがたり― 」の
ストーリー全文はこちらから
※「雪国とおかまち」サイトへ遷移します。
「食べものがたり」に関連する構成文化財
構成文化財とは、ストーリーを語るのに欠かせない文化財のことです。