食べものがたり

へぎそば

海藻をつなぎに使った極上の味わい
十日町のおもてなしの心

「へぎそば」は魚沼地方が発祥の、布海苔〔ふのり〕という海藻をつなぎに使い、「へぎ」と呼ばれる器に一口ずつ盛りつけた冷たいそばです。強いこしと歯ごたえ、ツルツルとしたのどごしが特長で、全国でも名の知れた極上のそばです。「へぎ」は木を剥〔は〕いで板にしたものを折敷にした器の呼び名で、「剥ぐ〔はぐ〕」が「へぐ」になまったものといわれます。
へぎそば特有の食感と味わいは、布海苔によるものです。「布海苔」は「布糊」とも書きます。「きもののまち十日町」ならではの素材で、糸の強度を高めるために塗っていた糊です。へぎそばを食べたときのほのかに鼻に抜けるかすかな磯の風味や、こしのある食感、薄緑の美しい色合いのもとになっています。
へぎそばは、へぎの上に「手振り」などと呼ばれる技で一口ずつそばが並べてあります。並んだそばは、紡いだ糸を束ねた姿にも見えます。これほどまでに丁寧に盛り付けられたそばは日本中どこを探しても見当たりません。十日町市の人たちの美意識の高さと、おもてなしの心が凝縮された逸品です。



このサイトでは、ユーザーエクスペリエンスを向上させるためにCookieを使用しています。引き続き閲覧される場合は、当サイトでのCookie使用に同意いただいたことになります。 承諾する