まつりものがたり
十日町雪まつり
「雪を友としよう」の精神で始まった雪まつり
市民の手でつくられる雪の芸術作品
昭和25年(1950年)、戦後の沈んだ時代、暗く厳しい冬の暮らしを少しでも明るくしようと、十日町雪まつりが始まりました。「雪を敵とせず、友としよう」という、地元住民の働きかけによるものでした。
毎年雪まつりが近づくと、ご近所同士、職場の仲間、友人や仲間同士などが、仕事終わりや休日に市内各所に集まって雪像をつくり始めます。きものづくりで培った美意識の高さと雪の扱いに慣れた造形のうまさで、精巧な雪像が次々につくられていきます。その作品の数々は雪まつり期間中、市内の至るところで観ることができます。世代を超えて継承されてきた技術と経験が生み出す「雪の芸術作品」は、ともに助け合って雪国で生きてきた人々の連帯感と、「雪を楽しもう」という市民の遊び心にあふれています。雪と共に生きる十日町市民の、伝統や文化、雪との向き合い方が体感できるまつりです。