大切に保全し未来に残す
希少性の高い低海抜地の原植生ブナ林

長安寺のブナ林は、信濃川左岸の河岸段丘岸の斜面にあります。日本海側のブナ林特有のユキツバキ、エゾユズリハ、ヒメアオキなどが植生していることが特徴で、高木層ではホオノキ、アカメイタヤ、ミズナラ等がわずかに見られます。
　長安寺のブナ林は、里山周辺の低海抜地に残存する貴重な自然林です。ブナ林は主に標高約800ｍ以上に生育するのに対して、このブナ林は標高約200～250ｍの場所に生育しています。これは、十日町市に降り積もる大量の雪と関係しています。ブナは雪圧に対して他の樹木の追随を許さないような強さを持っているため、積雪量が多くなるほど森林の中での優占度を高めるのです。自然環境が良好に保たれてきた希少性の高い自然林として、また魚沼地方の低地の原植生として、新潟県緑地環境保全地域に指定され大切に保全されています。