着ものがたり

宮本茂十郎手織の透綾(絹縮)裂地

十日町市指定文化財(工芸品)

「透綾〔すきや〕」、「高機〔たかばた〕」を伝授
十日町の絹織物生産の礎をつくった茂十郎

宮本茂十郎は十日町の絹織物の祖と言われています。十日町の織物産業の発展に大きく貢献したにもかかわらず、素性や経歴がはっきりと分かっていない謎の多い人物です。
京都西陣あるいは上野桐生の織物技術者だった茂十郎は、文政12年(1829年)に十日町に招かれました。2年間の滞在中に、「透綾」と呼ばれる透けるほど薄い絹縮と、それを織る「高機」という新鋭織機の製法を伝授しました。それまで主にカラムシなどの植物原料で越後縮を生産していましたが、茂十郎の指導により本格的に絹織物を産出するようになりました。十日町では、茂十郎の功績を称え、大正12年(1923年)に「国産絹縮之元祖」という顕彰碑を建立しています。
「茂十郎手織の透綾裂地」は、十日町が絹織物産地へと歩み始めるきっかけを作ったにもかかわらず未だに謎とされている人物、宮本茂十郎が確かに存在したことを示す唯一の資料でもあります。


所在地

十日町市博物館

〒948-0072 
新潟県十日町市西本町一丁目448番地9
9:00~17:00 (入館は 16:30 まで)
休館日:毎週月曜日(月曜日が祝・休日の場合は翌平日)、12月28日~1月3日


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